水堀 祭典親睦委員会(T-Backs)

先供の役割

先供とは

 先供は正式には「矢奈比賣やなひめ神社じんじゃ神輿みこし先供さきともがかり(先供)」と呼びます。 江戸時代から明治時代にかけ、神社に神輿のお道具(御幣、弓、矢、太刀など)を奉納し、神輿の渡御・還御の時に、自ら奉納したお道具をもってお供したことに始まります。 ですから先供のことは「お道具持ち」ともよばれます。 なぜ、「先」供なのでしょう? それは、巡幸の際に神輿の前(先)でお供をするからです。

 先供の役割は、神輿のお道具持ちの他、大祭一週間前の祭事始から還御まで、すべての神事に参加し、神職のサポートや進行役として、しきたりを守りながら奉仕をすることです。 先供は、代々世襲で受継がれてきています。 時代とともに後継者がいなくなってしまったり転出してしまったりと、先供の人数が減り一時は一人でいくつものお道具をもってお供することもありましたが、親戚やお祭りに熱心な方へ代わりの奉仕をお願いし現在に至っています。 その方々も永年奉仕していますので、自らのお道具を奉納しようとする動きもあります。

 祭事始の夜の御斯葉下ろしでは、せんまいを包み、町内13ヶ所に立てる15本の門榊を持って走ります。 浜垢離の前に行う、松原の神事では神職とともに先供、総代、輿番が参列し命之魚めのうおを放します。 大祭前日の御池の清祓いでは、境内・参道を祓い終わった榊を中川まで流しに走ります。 大祭当日、神輿渡御の前に、ふれ流しのための觸榊を一番觸、二番觸、三番觸に渡します。 そして、お道具を持って渡御のお供をします。 還御の行列は、先導の先供世話方に続き、赤丸高張提灯一対、猿田彦、大太鼓。その後ろに、先供が持つ大榊、黒長幣、黒幣、杖、弓、矢、太刀の順でお道具が続きます。 お道具のうち、杖の先端には麻の房があり、街道の人はこの房に触れると厄落としになるという言い伝えがあります。